おしっこスコアとは、ワンちゃんのおしっこの状態から健康度を数値化したものです。以下の6項目で評価(100ポイントで満点※お世話ポイントには1/10で反映されます)しています。
正確な透明度の評価をするには透明な容器に入れての確認が必要です。採尿後時間が経過すると混濁することがあります。新鮮で正常なおしっこは通常透明です。
色 | 特徴 | 配点 |
---|---|---|
透明 | 混濁のない透明なおしっこ。 正常なおしっこの透明度です。 | 高い |
わずかな混濁 | かすんでいる、もしくはくもっているおしっこ。 粘液、細胞成分、結晶などが出ている可能性があります。 心配であれば一度動物病院で検査をしましょう。 | ふつう |
明らかな混濁 | にごっているおしっこ。 粘液、細胞成分、結晶などが出ている可能性が高いと思われます。 動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
塊がある | おしっこの中に何か塊がある(白、赤、黒、灰色など)。 血尿、膿尿、脂肪尿、乳び尿、尿路結石などの可能性があります。 すぐに動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
キラキラ | おしっこに中に何かキラキラしたものが見える。 尿石症の可能性が高いです。 すぐに動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
理想的なおしっこの色は黄色ですが、正常でも淡黄色から暗黄色または琥珀色を示すこともあります。おしっこが黄色いのは尿中に含まれるウロクロームとウロビリンの色(代謝の副産物)であり、この色素の一日量はおおよそ決まっています。飲水量や水和状態、腎機能などにより、尿中の水分量が変化することで、黄色が濃くなったり薄くなったりします。また、病気により色が変化します。色の異常があった場合、一つの色調に複数の原因が関与していることがあるため、色素尿の鑑別には、動物病院で化学的分析と顕微鏡による評価が必要です。
色 | 特徴 | 配点 |
---|---|---|
水 (無色) | 水のようなおしっこ。(希釈尿、原尿) 多飲多尿を呈する疾患(腎疾患、内分泌疾患、子宮蓄膿症、肝疾患、高塩分食など)を抱えている可能性が高いと思われます。 動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
グレープフルーツ (淡黄色) | 淡い黄色のおしっこ。(不完全濃縮尿) 正常なおしっこの色ですが、やや薄いおしっことも言えます。 少し飲水量が多いなど、おしっこが薄くなる何らかの原因があるかもしれません。 | 高い |
レモン (黄色) | 黄色いおしっこ。(正常な尿) 正常なおしっこの色です。 | 高い |
ビール (暗黄色) | 暗い黄色のおしっこ。(正常な尿~濃縮尿) 正常なおしっこの色ですが、やや濃いおしっことも言えます。 少し飲水量が少ないか、少し脱水気味な可能性もあります。 | 高い |
ハチミツ (琥珀色) | 琥珀色のおしっこ。(濃縮尿、(ビリルビン尿)、(血尿)) 濃いおしっこの色です。 正常範囲ですが、飲水量が少ないか、脱水している場合もあります。 病的な可能性もありますので、心配であれば一度動物病院で検査をしましょう。 | ふつう |
オレンジ (橙色) | オレンジ色のおしっこ。(ビリルビン尿) 肝疾患など何らかの疾患を抱えている可能性があります。 一度動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
桃 (ピンク色) | ピンク色のおしっこ。(希釈尿+血尿) 病的なおしっこの色です。 すぐに動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
トマト (赤色) | 赤いおしっこ。(血尿、ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿) 病的なおしっこの色です。 すぐに動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
麦茶 (茶色) | 茶色いおしっこ。(血尿、ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿、メトヘモグロビン) 病的なおしっこの色です。 すぐに動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
コーヒー (黒褐色) | 黒褐色のおしっこ。(メトヘモグロビン) 病的なおしっこの色です。 すぐに動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
緑茶 (黄緑色) | 黄緑色のおしっこ。(ビリルビン尿(光による酸化)、ビリベルジン、緑膿菌感染) 病的なおしっこの色です。 すぐに動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
特定の疾患や薬剤の代謝産物によりおしっこの臭いが変化する場合があります。細菌尿、ケトン尿は独特な臭いがします。
におい | 特徴 | 配点 |
---|---|---|
くさくない | 健康的です。 | 高い |
少しくさい | このぐらいならまあいいか。 | ふつう |
とてもくさい | 病気かもしれません。 | 低い |
成犬のおしっこの回数は個体差がありますが、およそ2~5回が平均的です。幼犬では回数が多くなります。また、成犬でもマーキング行動などがある場合には回数評価が難しくなります。日々のおしっこの回数が極端に多くなった、もしくは少なくなったときには病気の可能性がありますので病院で検査を受けましょう。
回数(いつものおしっこの回数と比べて) | 特徴 | 配点 |
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同じ回数 | いつもと同じなのはいいことです。 | 高い |
多い | 一過性の飲水量の増加、もしくは膀胱炎、尿石症、多飲多尿を呈する疾患などの可能性があります。 動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
少ない | 飲水量の減少、脱水や尿路狭窄(閉塞)、排尿障害、急性腎不全などの可能性があります。 動物病院で検査をしましょう。 | 低い |
監修:所沢アニマルメディカルセンター 副院長 獣医師 田中真司