ウンスコアとは、ワンちゃんのうんちの状態から腸の健康度を数値化したものです。以下の6項目で評価(100ポイントで満点※お世話ポイントには1/10で反映されます)しています。
理想的なうんちはソーセージ状のタイプ2~3です。うんちは消化管の通過速度が遅くなると水分を余計に吸収して硬くなっていきます。逆に腸の蠕動運動が亢進し通過速度が早くなるとしっかり水分が吸収できず軟便~下痢になっていきます。食餌(おやつ)、環境要因(ストレス)、病気によって軟便や下痢が引き起こされます。
かたち | 特徴 | 配点 |
---|---|---|
ころころ (硬便) | 硬くてころころ、うさぎの糞のようなうんち。 便秘、または食餌の量が少ない、もしくは腸が何かに圧迫されている可能性があります。 | ふつう |
ぶりかた (良便) | 程よい硬さでしっかりとしたソーセージ状のうんち。 取った時に崩れることはなく、ほとんど形は変わらない。 正常な便です。 | 高い |
ぶりぶり (良便) | 太のような形で、表面は湿っぽいうんち。 取ったとき、形はほとんど変わらない。 正常な便です。 | 高い |
ゆるぶり (やや軟便) | しっとりとして艶があるが形はしっかりしているうんち。 取った時に少し変形するがなんとか崩れない。 正常な便です。 ただし、いつもはもっと硬めのうんちだというのであれば、これから下痢になる可能性もあります。 | ふつう |
ほそほそ (軟便) | 形はあるがひょろりとほそいうんち、もしくは断面が丸ではない平たいうんち。 腸管が何かに圧迫されている可能性があります。 腸管自体もしくは腹腔内に腫瘤性病変があるか、高齢の雄なら前立腺肥大の可能性があります。 | 低い |
どろどろ (泥状便) | 泥状で形はほとんどなくカレーライスのようなうんち。 つかむことは難しい。 病的な下痢便です。 続くようなら病院へ。 | 低い |
びちびち (水様便) | 水様で形のないうんち。 もはやつかむことなどできない。 病的な下痢便です。 早急に病院へ。 | 低い |
理想的なうんちの色は6.茶色〜7.茶褐色です。うんちの色をつけるのは胆汁中に含まれるビリルビンで腸管通過中に還元され茶色になります。食餌(おやつ)、薬(サプリメント)、病気によって色が変化します。
色 | 特徴 | 配点 |
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マシュマロ (灰色色) | 膵外分泌不全、胆管閉塞の可能性があります。 カルシウムを含むサプリメントをあげすぎると白くなる場合もあります。 心当たりがないのであれば早急に病院へ。 | ふつう |
コーンスープ (黄白色) | 膵外分泌不全、胆管閉塞の可能性があります。 カルシウムを含むサプリメントをあげすぎると白くなる場合もあります。 心当たりがないのであれば早急に病院へ。 | 低い |
オレンジ (橙色) | 過剰なビリルビンを含有したうんち。 重度の溶血後にみられるビリルビン産生と排泄の増加によるものの可能性があります。 早急に病院へ。 | 低い |
かつおぶし (淡茶色) | 穀物や食物繊維が多いと腸内が酸性に傾き、茶色から黄色みがかったうんちになります。 さらに色が薄くなっていくようなら、膵外分泌不全や胆管閉塞の可能性もありますので、病院に行くことをお勧めします。 また、哺乳中の子犬では淡茶色~黄褐色になります。 | 高い |
カレー (茶色) | 正常なうんちの色です。 穀物や食物繊維が多いと腸内が酸性に傾き黄色みがかり、肉が多いと腸内がアルカリ性に傾き茶色が濃くなります。 | 高い |
チョコレート (茶褐色) | 正常なうんちの色です。 肉が多いと腸内がアルカリ性に傾き、焦げ茶色のうんちになります。 | 高い |
もろへいや (緑色) | 消化管の通過速度の短縮によって、胆汁中に含まれビリルビンが還元されずそのまま排出されると緑色になります。 クロロフィル配合のガムやサプリメントをあげすぎると健康でも緑色になることがあります。 | 低い |
いかすみ (黒色) | 上部消化管からの出血の可能性があります。 生肉やレバーなどの血液を多く含むものや、止瀉薬や整腸剤(ビスマスを含むもの)、活性炭などを与えている場合、健康でも黒っぽい便が出ることがあります。 もし、黒く粘り気のあるタール状の便が出ているなら早急に病院へ。 | 低い |
ハバネロ (血様) | 下部消化管からの出血の可能性が高い。 大腸性下痢では鮮血やゼリー様粘膜を伴うことがしばしば。 早急に病院へ。 | 低い |
う動物性タンパク(肉)主体の食餌では便の量は少なく、食物繊維が増えるほど便の量は増えます。
サイズ | 特徴 | 配点 |
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小盛り | ころころの硬い便なら便秘、軟便や下痢なら大腸性下痢(少量頻回)の可能性があります。 もし良便なら、あなたへの嫌がらせか、びっくりしてもらしちゃったのかも。 食餌量が減っていたり、食餌を変更していないかチェック。 硬い便なら便秘、軟便や下痢なら大腸性下痢(少量頻回)の可能性もあります。 | ふつう |
並盛り | 毎日同じものを同じ量食べていればいつもと変わらないはず。 | 高い |
大盛り | 食餌量が増えていたり、食餌を変更していないかチェック。 軟便や下痢なら小腸性下痢の可能性もあります。 どこかで盗食をしていたり、ダイエットフード(高繊維食)へ切換えてはいませんか? 軟便や下痢なら小腸性下痢の可能性もあります。 | 高い |
消化不良を起こすと便が臭くなります。膵外分泌不全などの脂肪便では酸性臭、腸炎では腐乱臭を呈します。
におい | 特徴 | 配点 |
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くさくない | 健康的です。 | 高い |
少しくさい | このぐらいならまあいいか。 | ふつう |
とてもくさい | 病気かもしれません。 | 低い |
食餌の回数と同じかプラス1回程度が一般的で、散歩の回数や食餌の量などによっても変化します。
監修:所沢アニマルメディカルセンター 副院長 獣医師 田中真司